2013年11月26日火曜日

ジャカルタでのWSを振り返る


 こんにちは。
気づけば秋も終わりですが、今回のブログは夏休みに参加したジャカルタでのワークショップを振り返ろうと思います。



私の所属する岡部明子研究室は、インドネシアの首都ジャカルタのチキニ地区にフィールドを持っています。 2011年から同地区に介入し、WSを重ねてきました。これまでの活動はトウキョウ建築コレクション(2013)SDレビュー(2013)にも出展させていただいており、見知っているという方もいらっしゃるかもしれません。
今回私は2週間ジャカルタに滞在し、3つのWSに参加しました。
3年目となる今年のWSは、ミクロスケールとマクロスケールの両面から考えることがひとつのテーマです。


ひとつめはAfter Fire Projectです。
チキニ地区では、火事を起こした家族は住民全員の同意がないと戻って来れないという決まりがあります。事実上空き地となっていた火事の跡地に、 岡部研は建築家の雨宮知彦さんと共に公共図書館を作りました。
この建築のメインコンセプトは、通風採光を得るためのヴォイドとホワイトウォールです。 チキニ地区は超高密低層のカンポン(村)であり、近い将来クリアランスによる再開発の波が及ぶことが予想されます。そこで、アーバンメッシュを残しつつ住環境を改善するためのハウジングモデルを提案しています。
この建築はRC造のスケルトンと木造のスキンで構成されています。スキンは住民による改変が可能であり、増改築を繰り返して街並が形成されてきたチキニ地区独特の雰囲気を引き継ぎます。このスキン部分をWSでは設計しました。
インドネシア大と千葉大の学生を混合した3チームでのグループ設計コンペです。3案はチキニ地区の地主の家でプレゼン・投票が行われ、子供たちの票を集めたA班が実施設計に至ることになりました!





ふたつめはWhite Wall Workshopです。
ひとつめのAfter Fire Projectのメインコンセプトでもある「ホワイトウォール」を地区全体に拡散させるために、 街中の壁をゲリラ的に白く塗っちゃおう(^o^)/というものです。
このWSは建築家の谷尻誠さんをお招きして行いました。
白く塗る範囲をガムテープでトリミングするという谷尻さんのアイディアにより、いろんなバリエーションのホワイトウォールが出現しました!




みっつめはMacro Senario Workshopです。
2050年に街全体がどうなるかというシナリオを各自で考え、シナリオのストック数を増やし可能性を模索することが目的です。上の2つのWSがチキニ地区というミクロスケールにフォーカスしていたのに対し、マクロスケールで考えます。
①dual city(経済格差あり、高層ビルと低層カンポンの両方が存在する)
②asian dream(アジアンドリーム=国民総中流が実現し郊外宅地化が進む)
③easy life(何らかの経済破綻により国民総貧困、低層カンポンに居住する) 
という3つのジャカルタの未来のシナリオを用意し、その中で街はどうなるか、自分はどこに住みどういう生活をするかを考えました。ちなみに私は②で、ムスリム男性と結婚し、お祈り部屋と中庭のある住宅に住むことにしました。



チキニ地区は居住空間の狭さから路地が生活の場として使われており、水回りは共同で管理、住民同士が知り合いという旧来の密なコミュニティが残っています。「コミュニティ」というキーワードはコンペや設計課題でよく耳にしますが、その言葉が最終目標にしているものはこれなのかなぁとぼんやり思いました。
MCKと呼ばれる共同の水回り(トイレ・井戸・シャワー)
海外の敷地を対象に設計を考えるのは初めてだったのですが、普段とらわれている「こうしなきゃ」という点がどうでもよかったり、その土地ならではの空間を作ったりと、いつもより自由にできたように思います。


余談ですがモスク萌えに目覚めました。丸くてかわいいのでなでなでしたくなります。
文責:竹之下

2013年11月17日日曜日

読書の秋!

こんにちは!

秋ですね、もう寒い日が多いですが・・・
この間山梨の河口湖に行ってきました。紅葉がとってもきれいでしたよ!

もみじ回廊

美味しいものを食べて、きれいな景色を見て、卒論の疲れが吹っ飛びました。
そして本格的に卒制に取りかからなくてはいけませんね。





さて今回は読書の秋ということで、好きな本をいくつか紹介したいと思います。

私は本屋さんで気になったものがあると
家に帰ってネットで中古を探して買っています笑
便利な世の中ですね。





まずはじめにこちら!


三浦丈典さんの「起こらなかった世界についての物語」です。

タイトルと本の雰囲気が好きです。

27人の建築家のアンビルド・ドローイングを扱ったものです。

アンビルドとは、実際には建てられることのなかった、
という意味で、
アンビルドドローイングは、実現しなかった想像上の風景を描いたようなものです。



様々なテイストのドローイングとその建築家の思いを知ることが出来ます。

圧倒的な世界の広がりを感じさせるドローイングを見ていると、
建築家というのは、夢のある職業だなあと感じます。











二つ目は、小説です。
川村元気さんの「世界から猫が消えたなら」



この作品は、主人公が現代社会を象徴しているような存在です。
そんな中で人生というものを寂しくも温かく描いています。

すらすらと読めてしまう重くない空気感の中で、
はっと気づかされる大切なことを散りばめながら物語はテンポよく進んでいきます。

当たり前だと思っていたこと、
それをひとつひとつ考え直していこうと思わされた一冊です。

建築を考えるときも、広い視野や、いつもとは違った見方をすることが、
自分の味方になってくれるときがあるのではないでしょうか。













そして最後はこちら!




エリック・カールの絵本「パパ、おつきさまとって」です。
エリックカールの絵本としては「はらぺこあおむし」も有名ですね。

この絵本は日本語にも翻訳されていて、小さい頃よく読んでもらっていました。
皆さんの中にも知っている人が多いのではないでしょうか。



「お月さまとって」とせがむ女の子のために、パパがながーいはしごで月まで登ります。

でもパパが月に登ったとき、月は満月でとても大きく、いえに持って帰れません。
月は、もう少し待てば小さくなることを教えてくれます。



家にきたお月さまと女の子は踊ったり、跳んだりして遊びます。
そしてお月さまはいつの間にか空に戻っているというお話です。


物語も好きですが、エリックカールの色使いがすてきな絵と仕掛けもおすすめです。

この本にはながーいはしごや大きな月などの描写で、絵本のスケールをはみ出した仕掛けがあります。


去年アメリカのエリックカールミュージアムに行ったときに、
小さい頃の記憶が蘇ってきて、わくわくして小さな英語版の本を買ってしまいました笑


いつまでも小さい頃感じたわくわくを忘れないでいたいなーと思います。



もっともっとおすすめしたい本はたくさんありますが、今回はこのへんで!




気になったものがあれば、設計や勉強の息抜きに、読んでみてくださいね。


                           
                            文責:石黒





2013年11月11日月曜日

HANARARTってなんぞや

こんにちは!ついに!ついに!卒論発表終わりましたー!!!

いよいよ卒制が始まりますね。まぁ本論40ページ書かなきゃいけないんですけど…

何はともあれブログも頑張っていきましょう。


今回は福川研の活動です

福川研はよく奈良県の今井町という、江戸時代の町並みが今も残るまちに出かけては
イベントのお手伝いなどをしています
このことを「今井に帰る」といいます。

そしてこの前の夏休みにHANARART(ハナラート)というイベントがあったのでまた帰省しました!

HANRARTとは奈良県各所で行われた、伝統的な町屋に斬新な現代アートを組み合わせたアートイベントです


今回我々は、使われていない長屋を1つお借りして、そこで現代アートをすることになりました
でも現代アートってなんやねん(´・ω・`)

悩んだ結果、その長屋を改修して、その過程を見せていくことにしました

「古いものがもとの姿に戻っていく」それもひとつのアートだ、ということですね


というわけで作業開始!

なんですが、これがまぁボロボロなんですよ(笑)


床にはいろんなもんが散らばってるし、畳も腐ってるし、
極め付けは物をどかしたり引きだしをあけたりするごとに
例の黒いヤツらが出てくる出てくる…Σ(´д`ノ)ノ

畳を矧いで、増設部を取り壊して、床板を洗浄して、新しい畳を入れて…
とまぁなんだかんだで作業が完了しまして、
2眼カメラっていう特殊なカメラで撮って頂きました
こんな感じになりました

どうですか?自分で言うのもなんですが、結構魅力的な空間なんですよ




実際行ってみないと分かりづらいことですが、やっぱりエアコンがない時代につくられた建物は
風通しなど住み心地がよく考えられているんです

土間に腰かけているとひっそりとした中で表の通りの様子が感じられて、とても心地よい時間が流れます

ここは今後改修を続けて、最終的には今井に来た学生が安く泊まれる施設にできないかな、と考えています



さて、ここからは個人的な見解になりますが、今回の長屋の再生を通して、町に合った魅力的な空間やまちづくりの考え方が改められた気がします

日本の住宅は「古い=悪い」としてどんどんと建て替えて来ました


でもお寺や神社は「古い=良い」って考え方が多いし、ヨーロッパの街並みや住宅も「古い=良い」って感じることが多いですよね

その差は何なんでしょう


もちろん造りの問題などはあるでしょうが、結局のところは町に愛着をもってるか。今回のHANARARTのコンセプトで言うなら、『町に恋してるか』、ということではないか、というのはこの町の保存会の方の談。


町に恋してる人が多いと町は魅力を持ち、逆に町としての魅力を持ってる場所ではその土地の人が親切であったり話しやすかったり…
とまぁつまり結局のところ人に帰着するのではないかと


そして今回はそんな今井に”恋した”学生が地域の人の心を動かし、建築を通してその魅力を来場者に伝えた


建築は新しいものを建てることが基本ですが、ただ元の姿に戻すだけでも魅力的な空間になりうるのかなーと

そんなことを実感した夏休みでした



さて、ホームページ、ポスターなどが仕上げに向かっています。

近日中に公開されるのでご期待ください!では。


文責:小山